監督 実相寺昭雄 119分

肉やケーキを食べず、みそ汁とおしんこ、趣味は書道、5時以降は絶対に働かない

「命令取り消すから何か食え」

「一片口にされた言葉は消されえぬ、時間をさかのぼらん限りは」

「山を売るのはやめて欲しいんです」

「売られてバラバラに人手に渡っていくのは何も家の山林だけじゃない」

「だからこそ最後の砦でなければあかんのです」

「もう日本には守るべき価値のあるものは何一つ無いと思うんやが」

「中身がのうなっても形さえあったらいずれ必ず中身は命は復活します。その形の為に古い山が必要なんです。これをうしのうたら我々は魂の拠り所である形を失うんです」

「魂なんていらねえんだよ、日本はもう滅びたんだ今更手遅れなんだ。ヨーロッパもアメリカも日本も滅びたんだ、要するに世界なんてありゃしねえんだ。世界そのもの存在そのものが一つの夢なんだよ、この宇宙を構成している無機物の気まぐれの一つなんだよ。山林を売ったらな少しはお前にも金をやる」

「そこまでお考えになっていてあなたは何故自殺しはらへん」

「そりゃ自殺もまた夢の一つにすぎんからさ」

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